第59回舞踊学会大会


大会概要  白石踊り  シンポジウム  プログラム  委嘱研究発表



2007年
第59回舞踊学会大会
「からだ・トポスとの対話」



期日:2007年12月1日(土)・2日(日)
会場:倉敷市芸文館 倉敷公民館 倉敷アイビースクエア

■全体スケジュール

12月1日(土)
12月1日(土)
受付
芸文館203前
13:00〜
倉敷市芸文館 倉敷アイビースクエア
201 202 203
12:30〜13:30 理事会
     
13:30〜15:10   一般研究発表A
一般研究発表B
15:10〜15:20 休憩
15:20〜   総会&表彰式  
16:30〜   「白石踊り」実演
中庭
18:00〜19:30   交流広場

12月2日(日)
12月2日(日)
受付
芸文館203前
9:00〜
倉敷市芸文館 倉敷公民館
201 202 203
9:30〜10:30
一般研究発表C 一般研究発表D シンポジウム受付
12:30〜
10:35〜11:05   委嘱研究発表

11:05〜13:00 フリータイム 昼食や倉敷美観地区散策
13:00〜16:00   シンポジウム
「からだ・トポスとの対話」

■会場へのアクセス
●JR・新幹線をご利用の場合、山陽本線「倉敷駅」下車。倉敷美観地区まで徒歩で約15分。タクシーで約5分。
●車をご利用の場合、倉敷ICまたは早島ICから倉敷美観地区まで約10分。
●飛行機をご利用の場合、岡山空港から倉敷までタクシーまたはバスで約40分。



(地図をクリックすると拡大します)

■大会参加費(2日間有効) 会員2,000円(学生1,000円) 当目会員3,000円(学生1,500円)


■交流広場(懇親会)参加費 4,000円


■第59回舞踊学会大会事務局
〒703-8516岡山県岡山市西川原1-6-1 就実大学人文科学部 岡本悦子研究室
TEL&FAX086-271-8152(研究室直通)
E-mai1:etsuko★shujitsu.ac.jp(★を@にしてください)


■主催 舞踊学会(会長 古井戸秀夫)

第59回舞踊学会大会実行委員会
【担当理事】片岡康子(舞踊学会副会長) 遠藤保子 岡本悦子
【実行委員】太田一枝 新山順子 本羽恵子 青山敦子 筒井愛知 道満智子





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重要無形文化財 白石踊り (岡山県笠岡市白石島)

白石島でしか見られない重要無形文化財「白石踊り」が倉敷に登場!必見! alt text

 

白石踊りは、岡山県下三大踊りの一つで、源平水島合戦で戦死した人々の霊を慰めるために始まったと伝えられる踊りです。もとは日向踊りと呼ばれていました。毎年8月14日から16日にかけて盆踊りとして踊られています。盆踊りは、一般的には単純素朴なものであるが、白石踊りは、一つの音頭と大太鼓で男踊り・女踊り・娘踊り・奴踊りなど十数種類の異なる踊りが一つの輪になり混然一体となって勇壮活発・豪華絢爛に踊られる全国でも他に類をみないもので高く評価されています。また、7月20日から8月13日までの間の土曜日には、午後8時から観光用として海水浴場浜辺で踊られています。(雨天中止)

1976年に、国の重要無形文化財に指定され、現在も伝承されています。

 

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シンポジウム「からだ・トポスとの対話」

≪テーマ設定趣旨≫

21世紀に入って加速する現代芸術の動向を捉えるキーワードとして「からだ」、「トポス」が浮上する。ポスト・モダンダンス以降、アーティストが創造の場として脱劇場を試み、舞踊の領野を切り拓いてきたことは多くの舞踊家の活動からも明らかである。また今日、身体表現・ダンスは、「トポス」そのものと同時に、「トポス」を取り巻く人々や社会との連携交流から新たな可能性を求める方向に動いていると見ることができる。こうした脱劇場・コミュニテイー志向は、かつて地域に密着して、いろいろな場で演じられた芸能への回帰とも見ることができるのではないだろうか。このような動向がもたらす身体表現・ダンスの新たな可能性と同時に抱えることになると思われる問題などについて、現代の実態をおさえながら議論を進める。

 

司  会  片岡 康子

 

講  師  吉川 周平(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長)

「日本のまつりの場に顕現する肉体の変化と舞踊」

日本の伝統舞踊は、音楽、舞踊、演劇などに分化している西洋近代の芸術と異なり、それらのものが未分化のまま行われている。そこで日本伝統舞踊を組み立てている諸要素を抽出し、それぞれの機能を分析する研究をしてきた立場から、舞踊を顕現させる祭祀の場がからだに働きかけるものを、ピナ・バウシュの舞踊団のあり方と対比しながら検討する。

 

講  師    木佐貫 邦子(舞踊家 桜美林大学准教授)

場のチカラ、カラダ、ダンス

それぞれの場所にはそれぞれの空気が流れている。踊るとき、私はその空気たちと交わったのか、含まれたのか、それとも 戦ったのか。

劇場、スタジオ、ギャラリー、美術館、エントランス、カウンター、洞窟、神社、寺、池、階段・・・。場が持つチカラは、身体をどう変えたか、体験談を中心に報告する。

講  師  柳沢 秀行(大原美術館学芸員)

「“展示する”から“体感・体験する”アート・ミュージアムへの脱皮」

大原美術館の近年の実践は、「美の殿堂」として美的作品を保管し公開する「展示するアート・ミュージアム」から「来館者が体感する、あるいは体験学習するアート・ミュージアム」への脱皮とも捉えられる。大原美術館の事例について企画者である学芸員の立場から報告する。特に、ダンスとの出会いから波及したミュージアムの変化についても、簡単に触れる。

 

講  師  村田 芳子 (筑波大学教授)

太田 一枝(岡山大学教育学部附属中学校教諭)

「ダンスとアート・ミュージアムとの出会い」

大原美術館において2002年から毎夏(8月の最終土日)実施されている「チルドレンズ・アート・ミュージアム」のひとつにダンスワークショップがある。芝生の広場において、子どもたちは、点在する野外彫刻からインスピレーションをうけ、自由な身体表現を行う。戸外のアーティスティックなトポスに啓発され、新鮮な心身で表現を模索する。この実践をふまえ、参加者や鑑賞者にどのような可能性を拓くものかなどについて報告する。

 


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■大会日程

第1日目:12月1日(土)

12:30〜13:30 理事会(倉敷市芸文館201会議室)
13:00〜 受付開始(倉敷市芸文館203会議室前)
13:30〜15:10 一般研究発表A・B(各発表15分・質疑5分)



■一般研究発表A(倉敷市芸文館202会議室)
座長

細川江利子

(埼玉大学)
13:30〜
本山益子(岡崎女子短期大学)
小原幹代(岡崎女子短期大学附属第一早蕨幼稚園)
浅井由美(岡崎女子短期大学附属第二早蕨幼稚園)
○身体表現の保育実践に見られる保育者の育ち―3年間の園内研修のビデオ分析から―


13:50〜
安江美保(岡山市立西大寺小学校)
村田芳子(筑波大学)
○表現運動における「表現」の題材選定に関する試案―児童と題材との関係を17年前の調査と比較して―


座長

柴眞理子

(お茶の水女子大学)
14:10〜
傅正紅(総合教育研究財団)
○クラーク記念国際高校―芦屋キャンパスでの身体表現活動における事例報告


14:30〜
塚本順子(天理大学)
○身体表現活動の意義についての事例研究(1) ―韓国での実践を通して―


14:50〜
鈴木裕美子(福島大学)
○地域スポーツとダンス




■一般研究発表B(倉敷市芸文館203会議室)
座長

島内敏子

(日本女子体育大学)
13:30〜
原田純子(大阪女学院大学)
阪田真己子(同志杜大学)
徳家雅子(武庫川女子大学)
○舞踊観賞学習の可能性―想像力喚起のために―


13:50〜
江川久子(京都造形芸術大学)
○文化産業としての「新舞踊」考―消費活動の動向―



座長

猪崎弥生

(お茶の水女子大学)
14:10〜
安田靜(日本大学)
○クラシック・バレエにおける骨盤のアラインメントについて―直立時のアラインメントと重力情報に依拠せず行うコントロール―


14:30〜
筒井愛知(岡山県立鴨方高等学校非常勤講師)
○BreakingのBatt1eという身体表現によるコミュニケーション―Batt1eの様式と解析―


14:50〜
柿沼美穂(国立環境研究所)
○動作表現のanimate sty1e―舞踊の制作における様式の役割―



15:10〜15:20 休憩
15:20〜15:50 総会&表彰式(倉敷市芸文館202会議室)
15:50〜 倉敷市芸文館から倉敷アイビースクエアヘ移動(徒歩で約10分)
16:30〜 「白石踊り」体験&実演鑑賞&インタビュー(倉敷アイビースクエア中庭)
※雨天時は交流広場会場で行います。
18:00〜19:30 交流広場(倉敷アイビースクエアホテル)



第2日目:12月2日(日)

9:00〜 受付開始(倉敷市芸文館203会議室前)
9:30〜10:30 一般研究発表C・D(各発表15分・質疑5分)
10:35〜11:05 委嘱研究発表(発表・質疑:計30分)



■一般研究発表C(倉敷市芸文館202会議室)
座長

尼ケ崎彬

(学習院女子大学)
9:30〜
川島京子(早稲田大学)
○エリアナ・パヴロバ来日前の芸暦について―日本に現存する資料と現地調査の照合から―


9:50〜
稲田奈緒美(早稲田大学)
○土方巽・暗黒舞踏における非統合の身体―1970年代の身体像とメソッド


10:10〜
古後奈緒子(龍谷大学非常勤講師)
○コンテンポラリーダンスの活動にみる劇場/劇場外空間の関係「収穫祭」プロジェクトを手がかりに





■一般研究発表D(倉敷市芸文館203会議室)

座長

中村美奈子

(お茶の水女子大学)
9:30〜
竹村嘉晃(大阪大学大学院)
○消費されるインドの神霊パフォーマンス―文化経済学的アプローチの試み


9:50〜
弓削田綾乃(お茶の水女子大学)
○超越的存在になる舞踊の「境界」考―仏舞の行道をめぐって―


10:10〜
米山知子(総合研究大学院大学)
○パフォーマンスとそれが実践される場の関係性―トルコ・都市におけるアレヴィ一のセマーを例として―





■委嘱研究発表(倉敷市芸文館202会議室)
座長

石井達朗

(慶応義塾大学)
10:35〜
CHRIS UGOLO Ph.D.Univ.of Benin,NIGERIA
PROF.YASUKO ENDO Ph.D.Ritsumeikan Univ.,JAPAN
○THE BODY AND TOPOS(SPACE):CASE STUDY OF A NIGERIAN DANCE(ABAME WRESTLING DANCE OF IGBIDE PEOPLE)





11:05〜13:00
昼休憩
フリータイム〜昼食や倉敷美観地区散策〜
倉敷市芸文館から倉敷公民館へ移動(徒歩で約10分)

13:00〜16:00 シンポジウム「からだ・トポスとの対話」(倉敷公民館大ホール・受付12:30〜)

21世紀に入って加速する現代芸術の動向を捉えるキーワードとして「からだ」、「トポス」が浮上する。ポスト・モダンダンス以降、アーティストが創造の場として脱劇場を試み、舞踊の領野を切り拓いてきたことは多くの舞踊家の活動からも明らかである。また今日、身体表現・ダンスは「トポス」そのものと同時に、「トポス」を取り巻く人々や社会との連携交流から新たな可能性を求める方向に動いていると見ることができる。こうした脱劇場・コミュニティー志向は、かつて地域に密着して、いろいろな場で演じられた芸能への回帰と見ることもできるのではないだろうか。このような動向がもたらす身体表現・ダンスの可能性と同時に抱えることになると思われる問題などについて、現代の実態をおさえながら議論を進める。

【司会】
片岡康子(早稲田大学客員教授)
【講師】
吉川周平(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長)
「日本のまつりの場に顕現する肉体の変化と舞踊」
木佐貫邦子(桜美林大学准教授)
「場のチカラ、カラダ、ダンス」
柳沢秀行(大原美術館学芸課長)
「“展示する"+“体感・体験する"アート・ミュージアム」
村田芳子(筑波大学教授)・太田一枝(岡山大学教育学部附属中学校教諭)
「ダンスとアート・ミュージアムとの出会い」




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委嘱研究発表(12月2日午前)

 

「からだ・トポスとの対話−ナイジェリアのダンスを事例として−」

クリストファー・ウゴロ(ベニン大学シアターアーツ学部講師)

共同研究者 遠藤保子(立命館大学教授)

 

 

 クリス・ウゴロ博士(Christopher Ugolo)プロフィール≫

 

1960年ナイジェリア生まれ。1984年ベニン大学卒業。

19881989年サリー大学(英)留学、B.A. 2005年イバダン大学Ph.D.

19891991年イロリン大学講師 19911994年アブジャ大学講師を経て現在に至る。主な研究業績:

Ugolo, C.E. “The State of Dance Research in Nigeria”, CORD, New York, Fall Edition, 1994. pp. 71-73.

Ugolo, C.E. “Music in Nigeria Traditional Dance Performance” in Omojola Bode (ed.) Music and Social Dynamics, Department of Performing Arts, University of Ilorin, Ilorin. 2000. pp. 180-188.    

Ugolo, C.E. “Pop Culture and Daddy Showkey’s Galala Dance of Resistance” in Ahmed Y. and Akinwale A. (ed.) Theatre
and Democracy in Nigeria, Ibadan: KraftBooks Ltd. 2002.pp.90-97

                                      

 

 

 

シンポジウム講師(122日午後)

≪木佐貫 邦子氏プロフィール≫

 

1981 ソロダンス活動を開始。初の自作品として「黒鳥伝説オディール」(銀座みゆき館劇場)を発表。19821988年の間に実験的ソロシリーズ「てふてふ」を9作発表。初期の木佐貫スタイルを形成。海外でも評価を得る。1990年以降はソロ作品に加え、他者と共に踊る作品や若手グループ neo の育成に力を注ぐなど視野を広げている。他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも精力的に行っており、これまでに山下洋輔、カール・ストーン、吉原すみれら多くの世界的音楽家や墨絵の杉吉貢、写真家 十文字美信とともに作品を発表している。また、ダンス経験者のみならず、多くの人々に出会える、独自のワークショップを各地(東京、北海道、愛媛など)で開催し交流を深めることも大切にしている。ダンスグループ neo 代表。桜美林大学総合文化学群准教授。