会長挨拶

 
第23期会長 貫 成人
 

 昨年12月の理事改選に伴って会長を拝命いたしました貫でございます。もろもろ行き届かない点もあろうかと存じますが、なにとぞよろしくお願いします。

 舞踊学会は1975年12月に創設されました。他国をみると、ダンス研究をもカバーするというイギリスのThe International Conference for Traditional Musicが1947年、 また、お隣の韓国でもっとも古い舞踊関係学会という大韓舞踊学会が1974年設立ですが、一方、アメリカのSociety of Dance History Scholars (SDHS)が1978年(2017年、Dance Studies Associationに統合)、現在、舞踊研究がきわめて盛んなドイツのGesellschaft für Tanzforschungが1986年の創設です。舞踊学会は国際的に見て、かなり早く発足した、伝統ある組織であると言えるでしょう。

 実際、舞踊学会では、毎年の充実した大会や定例研究会(例会)、学会誌『舞踊學』や会報『ニューズレター』、また、若い研究者の優れた業績に授与される研究奨励賞、さらにホームページやメーリングリストによる日々の情報共有など、学会として充実した活動を着実に続けてまいりました。ひとえに、歴代会長、また、各委員会委員長である常務理事、また、理事や学会担当理事の先生方、会員のみなさまの献身的なご尽力の賜物であり、感謝に堪えません。おかげさまで、数多くのたいへん貴重な研究成果を公にし、会員同士の交流を促進するプラットフォームとして機能して参りました。

 とはいえ、内外情勢の激しい変化に舞踊や舞踊研究も無関係ではいられません。DX(デジタルトランスフォーメーション)の波は例会のオンライン開催や、対面大会における紙資料の削減など、すでに足下にも及んでおり、こうした変化は今後ますます加速するものと思われます。

 変化は困難でもありますが、好機でもあります。舞踊学会は1975年創設ですので、今年2025年、創設50年を迎えます。記念すべきこの年を機に、会員のみなさまのご研究、ご活動にとってますます大きなお力となれるよう、さまざまな工夫を凝らしていく所存です。

 そのためには、常務理事ならびに理事の先生方、会員諸賢のみなさまのご助言やご提案、お力添えが不可欠です。みなさまとともに舞踊学会をますます盛り上げていくことができればありがたく存じます。あらためて、なにとぞよろしくお願いします。