舞踊学会 第10回定例研究会

舞踊学会第10回定例研究会(例会)報告

プログラム

日時:2007年6月16日(土)10:00〜12:15
会場:お茶の水女子大学共通講義棟2号館102教室

【研究発表】

10:00〜10:22
座長   :
國吉和子 (早稲田大学)
発表者:
關 典子(国立音楽大学)
舞踏におけるオブジェと身振りの相関
―「飼いならされた動作」を離れて―」

10:25〜11:10
座長   :
大貫秀明 (駿河台大学)
発表者:
上野(一柳)智子(文化女子大学)
舞譜の譜字分析試論
―明治撰定譜左舞譜《還城楽》をケーススタディーとして―」

11:11〜11:15 小休憩

11:15〜12:15
座長   :
鈴木 晶 (法政大学)
発表者:
村山久美子(早稲田大学)
「不遇の振付家レオニード・ヤコプソーンの芸術」

 

舞踊学会 第10回定例研究会のご報告

2003年3月、第1回目が開催されてから5年、今回で10回目を迎えた例会は、梅雨の晴れ間の土曜日、6月16日にお茶の水女子大学にて開催されました。これまで定例研究会は、研究発表の機会を少しでも多く提供し、また通常の学会大会の一般研究発表では難しい条件にもできるだけ柔軟に対応し実現するように心がけながら開催してまいりました。今回は発表時間を40分以内とし、それぞれ発表者の希望にそって充分な時間を用意しました。発表者は3名でしたが、舞踏、舞楽譜、戦後のロシアバレエ、と研究領域は多彩なものとなりました。コメンテーターは特に設けませんでしたが、会場から的確な質問が出され、例会終了後も発表者と参加者との交流が活発におこなわれました。

 先ず、關典子先生のご発表では、土方巽の舞踏の動きとオブジェの関連について、シュルレアリスムにおけるデペイズマンの考え方をヒントに具体的な論考を展開されました。次ぎに上演の機会が稀なため、一般になじみの薄い舞楽の譜(舞譜)について発表された上野(一柳)智子先生は、左舞の「還城楽」の動きについて分析した結果を発表して下さいました。最後は、村山久美子先生によるロシアの振付家レオニード・ヤコプソーンについての研究報告と映像資料の上映となりました。

当日の参加者は約50名、会場をご提供いただいた猪崎先生とお手伝い下さった学生の方々による的確、迅速な会場設定と誘導のおかげで、ほとんど時間通り、無事に例会終了となりました。次回第11回は2008年3月2日彩の国さいたま芸術劇場映像ホールにて開催致します。詳細は今年の秋頃に舞踊学会HP上で発表いたします。皆様ぜひお越し下さいませ。
(文責・國吉)